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高見幼稚園とマーチングの歴史 音のバトンタッチ 64年続いたマーチングから新しい音楽への学び

( 登場人物 )

  • 岡野先生の写真

    マーチング指導 岡野先生

  • 栗原先生の写真

    音楽指導 栗原先生

Interview 2026.06

子どもたちの力を信じる、引き出す

岡:

子どもたちに指導していて、昔と違うなと思うことや、逆に変わらないな、と思うことはありますか?

栗:

子どもなりのプロ意識というか、本番は決めるぞ、という気持ちの強さは、昔から変わっていないなと思いますね。

岡:

運動会とか生活発表会とか起業祭とか、毎年大きな規模のイベントがあって、そういった大舞台のワクワク感とドキドキ感が、子どもたちの一体感を生み出しているように感じます。

栗:

こういう場面ではこう振舞わないといけないっていうことが、自然に身についているんでしょうね。だから本番に強い。さらに起業祭は観客の数も多くて、マーチングを見た人たちが次々に「すごいですね」と声をかけてくれるので、子どもたちも私たちも嬉しくなってしまいます。

岡:

毎年、起業祭がマーチング最後の晴れ舞台でしたね。これを終えると制服を返してもらっていました。すると、練習を嫌がっていたような子も「え、もう終わり?練習しないの?」って言ってきたりして。

栗:

本当に毎年感心します。特に運動会の前と後とでは、別人のように顔つきが変わって、成長が一目瞭然。難しい練習にも、なんだかんだ言いつつみんなよくついてきてくれて。全体のモチベーションが一様に高まった日などは、オーケストラのような音に合わせて、ガーズさんの演技にも一体感が生まれました。

岡:

運動会前後の変化は確かにすごいですね。驚いたのが、練習が終わると太鼓などを担当している子が、キーボードの方に駆け寄って、今練習した曲を弾いていたんです。本来、打楽器の担当だから、キーボードなんて誰からも教わっていないはずなのに。練習時に聞こえたキーボードの旋律を耳でコピーしたんですね。年少の頃から、栗原先生による本格的な歌唱の授業を受けているせいか、みんな耳もいいんですよね。

栗:

練習中に自分が聞いた音を、後でまたちゃんと自分で表現できるのはすごいことです。

高見幼稚園が大事にしたい、心を育てる音楽

栗:

高見幼稚園は仏教の幼稚園なので、み仏様の教えとして「人の話をよく聞きましょう」ということも、よく言われています。実は、子どもの脳って4歳で80%が完成されているそうです。ということは、幼稚園で過ごすこの3〜4年の時間が本当に大切で、私が園児たちに音楽を教える時も「しっかり音を聞いてね」とよく声かけをします。幼少期に聴覚を刺激すると、人の話や周囲の音をちゃんと感じ取れるようになるんです。

岡:

歌を上手に歌うには、まず正しく音を聞き取ることが大切ですよね。これも日々の音楽教育の積み重ねですかね。

栗:

聴覚を意識的に使ってもらうことで、季節の移り変わり、葉っぱの色の変化に気づく。雨の降る日、コンクリートや土のにおいを感じる。大切な人が助けを求めている表情を感じ取る。――毎日同じ通園の中でも、何か変化を発見できる感性を養ってほしいなと思っています。音楽によって培われる感性や能力が、その後の人生を豊かに彩ってくれると信じています。

岡:

確かに、いちばん吸収しやすい時期ですからね。だからこそ、季節の歌や音遊びなどの活動を通して、聴覚を養っていく必要があります。栗原先生に歌唱指導をしていただくようになって、高見幼稚園の子どもたちは明らかに歌唱力が上達しているように感じます。先日も、親鸞様のお誕生会で披露していた歌が本当に上手で、感動しました。さらに今年からは、「リトミック」を取り入れるようになりました。この成果も楽しみです。

栗:

リトミックを取り入れてから、子どもたちがすごくいい表情で楽しんでくれています。いろんな道具を使いながら、音楽に合わせて体を動かすように促すんですが、日頃おとなしい子も、すごく前向きに取り組んでいて。子どものやる気を引き出す指導も大事だなと感じてます。

岡:

本当にその通りだと思います。マーチングには、指導者が“与える指導”という側面があったかもしれませんが、リトミックや歌唱は子どもたちの自主性を大事にする活動であり、ある意味押し付けない教育というか、令和の時代に沿ったものかもしれません。

栗:

年長さんは生活発表会で器楽演奏を披露しますが、ドラムなどを使った小学6年生レベルの演奏をしています。日頃のリトミックや歌唱指導を通して、リズム感や音への感度など、子ども1人1人の適性や傾向をしっかりウォッチすることで、効果的な演奏指導につなげていけるのではないかなと思っています。

岡:

マーチングがなくなって、次は何をするの?とよく聞かれるんですが、一言で言えばリトミックだったり、歌唱指導だったり、ということになるかもしれません。ただ、これまでとは違うアプローチで、さらに豊かで広がりのある音楽の学びを、子どもたちに提供できると感じています。チャレンジのマーチングから、心を育てる音楽へのバトンタッチです。

805-0012 北九州市八幡東区川淵町3-23
高見幼稚園
TEL : 093-651-4246
たかみBeBe
TEL : 093-654-7222
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